アメリカのクレジットカウンセラーは、問題解決の可能性を本人に見出させるための助言を行い、常に債務者の立場に立った支援を心がけています。

アメリカのクレジットカウンセリング

米国では、債権者が資金を拠出した消費者クレジットカウンセリングサービス(CCS)が、この種の問題の相談窓口として地域に根付いた活動を展開しています。

 

 

カウンセリングは、数度にわたり継続的に行われますが、アドバイスだけで解決するケースと返済計画を立て直すケースと返済困難と判断され司法救済をすすめられるケースとそれぞれ3分の1ずつの割合となっています。

 

 

カウンセラーは問題解決の可能性を本人に見出させるための助言を行い、常に債務者の立場に立った支援を心がけています。

 

 

返済計画を立てる場合には、まず自己診断をさせます

 

 

そして、
「車2台は今の生活には贅沢でしょう。」
「保険をかけ過ぎていませんか。」
など個々の家計診断を行いながら、必要な生活費を算定し、返済可能額を提案し、本人の了解を得たうえで債権者を説得していきます。

 

 

全米調査でも、こうしたCCSの活動は大半の消費者に知られ、非営利組織としての運営が評価されてきました。
債権者にとっても、破産によって回収不能になるよりは、わずかでも回収が図れるメリットから、CCSの活動に協力的なのです。

 

カウンセラーはオフィスで相談に応じるばかりでなく、地域の学校や職場に出向き、クレジット教育を展開する事もあります。

 

 

相談者であり、交渉家であり、さらに教育者でもあるのが、米国のクレジットカウンセラーの特徴なのです。

 

 

CCS事情に詳しく、消費者破産の交際比較研究などでも知られるアイオワ州立大学の教授は、
クレジットカウンセリングの扱う領域が、家計管理指導から資産形成へのアドバイス、さらには教育活動と広範囲なことからファイナンシャル・カウンセリングと名付けています。

 

 

また、担い手としてのカウンセラーをファイナンシャル・カウンセラーと呼んでいます。

 

クレジットカード

ところで米国は、クレジット社会の伝統から個人が債務超過に陥りやすく、その結果として、破産の大量発生につながる破産大国とも呼ばれています。

 

このため破産に寛大な破産法を改正して、少しでも返済を促す債権者保護の要請がロビー活動でも強まりました。

 

紆余曲折はありましたが、その結果、2005年に大幅な破産法の改正が行われ、事前のカウンセリング審査によって、州の平均所得を上回る所得を有する個人は、7章破産と呼ばれる債務全額の免責(全部破産)は受けられない事になりました。

 

 

また、

  • 破産の申し立ては連邦破産管財局によって認証されたクレジットカウンセリング機関によって厳格な審査が行われること、
  • 破産申請後は同局に認証された教育機関によって行われる債務者教育を受講しなければ免責を受けれない

等の新たなシステムが導入されました。

 

 

 

今日の日本でも、自己破産の急増など昨今の多重債務問題は深刻な状況を呈しています。
解決に向けて、今こそ根本的な対応が不可避となっています。

 

 

多重債務問題の解決には、

  • 貸出規制、
  • 信用情報の全面交流、
  • 金利負担削減、
  • 広告規制などの入り口改革と、破産法改正による画一的な消費者破産の改善

などの出口改革に見られるように、様々な検討がなされ、部分的にせよ、実施されてきています。

 

 

そのいずれも必要かつ有効な対策と考えられますが、しかしながら、今のところ決め手を欠いているように見えます。

 

 

>>フランスの場合も見てみる